本をよく読むので、僕の部屋には大量の本があります。
引越しをするときにいつもすることは、荷造りしたり、運んだりするのは大変だから、その前に本を何冊も捨てることです。
本をよく読む方の部屋には、本が溢れていて、引っ越しのときには大変な思いをしているかと思います。捨てようと思ってもなかなか捨てられないという悩む読書家も多いでしょう。
僕もこれまでに6回ほど引越しをしているけれども、捨てたいけど捨てられなくて、悩むことが多々ありました。
でも、何度か本の処分を繰り返すうちに、捨てる本、残す本の判断基準が確立され、本を減らすことができるようになりました。
この記事では、私が実践している捨てる本の判断方法について紹介します。
目次
なぜ捨てられないのか
まず、まぜ本を捨てられないかを考えてみたい。捨てられない理由は、
- 情報に価値があって捨てられない
- 感情的に捨てられない
この2つに分けられます。
実際にその本を読みながら実務作業を行う、その本を読んで勉強しているのであれば、本に書かれている情報に価値があります。
思い入れがあるとか、希少価値があるとかいえば、それは感情的な話であって、情報に価値があるわけではないですね。
捨てられない本を捨てる
保有効果を意識する
僕らが所有する多くのものには、保有効果が働いています。保有効果とは、自分が所有するものに対して、高い価値を感じて、「手放したくない!」と感じる心理現象だ。
たとえば、Aという車を買ったとします。買う前にはA車を買うか、B車を買うか迷っていて、Aに決めて購入したとする。買ったあとで、買う前には知らなかったB車の良さを知る機会があったとしましょう。
このとき、保有効果が働いて、心理的には「いや、A車のほうが良いはずだ」となるでしょう。
なぜなら、「やっぱりB車のほうがよかったかな…」と思ってしまうと、嫌な気分になってしまうからです。
「A車はすばらしい、A車を買ってよかった」と思うようにしたほうが、精神的によいわけです。
保有した車の自分にとっての価値は上がるのです。
ものを捨てるときには、この保有効果を意識しないといけません。保有効果があって、本に価値を感じてしまっているだけのこともあるので、割り引いて考えるようにしないと、正常な判断になりません。
本の情報に価値があるかどうかで判断
本を捨てるときの判断基準として、まず、本の中の情報が、自分にとって価値があるかどうかで判断します。
- 再び読むだろう本当によい本・・・持っておく
- まあまあよい本で持っておきたい本・・・スキャンして本は捨てる
- 今後はまあ見ないかなという本・・・捨てる
この3ランクで、分別し処理していきます。
再び開いて読むだろうと確信している本は持っておきましょう。そこまで良い本だと言えるなら、ことあるごとに読み返すのがよいです。
まあまあよい本で持っておきたい本は、捨ててしまってもいいのではないかと思います。
今後は、まあ見ないかなと思う本は、容赦なく捨てる。
そこで疑問になるのが、
- もう一度読むだろう本当によい本
- まあまあよい本で持っておきたい本
これを線引きするにはどうすればいいのかという点だ。それには、次の2つがある。
- もし、この本を今持っていないとして、お金を出して買いたいかどうか
- 10年後もこの本を持っていたいか
です。
死ぬまで持っていたいか?と問うのもいいかと思ったが、本気で考えると、すべての本が死ぬまで持っていたくはなくて、すべて捨てる本になってしまうので、やめておきました。
スキャンするのもよいですね。
なぜかというと、スキャンすることによって情報は保存されるので、まあ本は捨ててもいいかなという気持ちになれるからです。
捨てる本・捨てない本の選別は2回行う
- 再び読むだろう本当によい本・・・持っておく
- まあまあよい本で持っておきたい本・・・スキャンして本は捨てる
- 今後はまあ見ないかなという本・・・捨てる
この3つに所有している本を分類します。まあまあよい本で、捨てるかどうか微妙なものは、スキャンする本として分けておきます。
そしたらもう1回、再び読むだろう本当によい本を見てみましょう。本当にそうなのだろうか?とより厳しい目で見てみるのです。
スキャンしておけばいいか、と思える本があるかもしれません。
さらに、スキャンしようと思った本も、もう一度手にとって考える。1回目よりも厳しい目で本を見てみます。
やっぱりこれはスキャンしなくても捨てていいか、といったものが出てくるはずです。2回選別を行うと、捨てられる本が増えると思います。
そして、荒技として、スキャンすると決めてまとめておいた本は、スキャンせずに捨ててしまうことにする方法があります。
これは思いきってやるしかないけれども、スキャンする本としたものは、捨ててしまってもなにも問題ないです。
なぜなら、僕の経験上、スキャンしたものを読むことは無いからです。
以前、200冊ほどスキャンをしたことがあります。
本がたまりすぎてどうにかしたいのだけど、中身は見返したくなることもあるだろうし、捨てられなかったのだが、スキャンをして捨てることにしました。また、付箋をつけた重要なページだけ写真をとって、後で見られるようにすることもやったことがあります。
その後、スキャンデータや写真を見て、再読した本は何冊あったと思いますか?
200冊のうち、2冊だけ。
その2冊もすべて読み通したわけでなく、一部分を読んだだけだったし、どうしても読みたくなったかというとそうではなく、ちょっと気になっただけでした。
別になかったらなかったで、問題なかったように思います。そういったことを考えると、まあまあよい本で持っておきたい本というのも、スキャンしないで捨ててしまえる思い切りのよさがあるなら、そうしたらよいです。
自分でスキャンすると、時間がかかるし、スキャンサービスをしている業者はあるが、冊数が多いとけっこうな料金になってしまいます。
スキャンしたことでいつでも読めるから捨てられる!という気持ちになれるが、スキャンするには手間やお金がかかってしまいます。
だから、もう一度読むと確信している本以外は、捨ててしまおう!
この判断基準でいきたい。
感情的に捨てられない本を捨てる
思い入れがある本、希少価値がある本などをどうするか…。
思い入れがある本
この判断基準をつかって、捨てるものを残すものを決めます。
- 10年後もこの本を持っていたいか
この判断に当てはめると、捨てる本が出てくるのではないでしょうか。10年後も持っていたいような思い入れがある本だけ、持っておけばよいのです。
希少価値がある本
いくら社会的に希少価値がある本であっても、自分にとって価値がなければ意味がないです。コレクターは別だが、本は内容を読んで考えて実践して、自分の血肉にして、人生に活かしていくもの。
社会的に価値があっても、自分にとって価値がないものであれば、売ってしまってお金に換えてしまったほうがいいのではないだろうか。希少価値があるなら、よい金額になりそうだ。
捨てると決めた本は中身をもう見ない
「昔読んだな~」と懐かしがりつつ中身をのぞいてしまうと、やっぱり面白いからとっておこうと思ってしまう可能性があります。
「捨てる!」と一度決めた本は、目のつかない場所に1箇所にまとめておき、目に入らないようにすべきです。
再び読むだろう本当によい本をもう一度見る
良書はとっておくべきと書きました。投資家に「株式投資の良書は?」と聞けば、誰しもがあげる本として、「ウォール街のランダムウォーカー」があります。
この本は、投資家としてうまくやっていきたいなら、必ず読むべき本のひとつになります。どの分野にもそういった本があると思う。読み返す度に学びが得られるような本。こういった良書はとっておいて、読み返すのがよいでしょう。
だが、いくらよい本であっても、5年も10年も読み返さないで部屋の飾りにしているだけでは、意味がありません。良書だけれども、まったく読まない本は、今は必要ないとして、捨ててしまってもよいでしょう。
必要になったらまた買えばいいのです。
本を捨ててしまったことを悔やむことはない
この引越しのときに限らず、僕は読み終わった本を売ったり捨てたりすることが多いです。
捨てた後に後悔するかもしれないと思うのは、
- 思い入れのある本がなくなって寂しい
- 捨てた本をまた読みたくなってしまう
といった点です。
少なくとも僕は、本を捨てた後に「やっぱり捨てなきゃよかった」と思ったことなど、まったくない。
手放す前はあれこれ思うかもしれないが、手放した後は忘れてしまいます。
これが、人の付き合いであれば、離れる前はなんとも思っていないのに、いざ離れ離れになってみると、とても寂しいと思ってしまうことがあるでしょう。しかし、本の場合はそうはなりません。忘れてしまいます。
僕は本をよく読む。5回目の引越しのときに、本を大量に売ったり捨てたりしました。

この写真を見ると、100冊程度あります。このほかにも処分していた本、雑誌があったので、合わせると200冊はありました。
繰り返しますが、引っ越したあとに、「あの本、捨てちゃったな~。捨てなきゃよかった。もう一度読みたいな。」と思った本はありません。引っ越しのときに捨てた本に限らず、捨てた後に再び読みたくなり、同じ本を買ったことは、一度もないです。
正確な数字はわからないですが、社会人になってから2000冊程度の本は読んできて、その多くを捨ててきているけど、また読みたいと思って、再度買った本は1冊もないのです。
そもそも本を買うときに、紙の本を買うのでなくて電子書籍を買うようにしたい。読み返そうと思えばいつでも読める。
本以外でも、ものを捨てた後に「やっぱ捨てなきゃよかった~」と思うことは、覚えている限りゼロ。あなたもそうなのではないでしょうか?
僕は、”もの”自体には、そういう感情は持ちません。しかし“こと”にはその感情を持つことはあります。人付き合いとか、趣味とか、勉強とか、続けていればよかったなと思うことはあります。
あのとき別れを選ばなければ…、あのとき自分に正直になって思いを伝えていれば…といったことはあります。
話が脱線しました…。ものに執着する必要はないので、捨ててしまっても後悔はないと言いたかっただけです。
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